– 頓行さんは、歯について、いつからどんなことに悩んでいたのですか。

 

とゆき さん僕は歯のことで30年間ずっと、痛い思いをしてきたので、歯医者さんが怖かったんです。眠れないくらい虫歯が痛くなってから、歯科に掛け込んでいた。『なんでもっと早く来ないんですか』と叱られ、痛い注射を打たれて、歯を抜かれる…。その繰り返しで、下の歯は前歯4本残して、全部抜かれてしまいました。歯肉が腫れあがって歯を抜くこともできず、歯茎を切って、膿を出して、腫れが引いてから抜くときもありました。

今から9年前、66歳の時には、上の歯も全部虫歯になり、黒く変色して、歯槽膿漏でグラグラしていました。広島で、6件の歯医者さんに相談しましたが、どこの歯医者さんも『全部抜いて総入れ歯にしてはどうですか』と、仰いました。それが嫌で、意地でも行くものかと思っていたんですよ。

 

– 自分の歯があるのに、全部抜いて総入れ歯というのは、抵抗がありますよね。

 

とゆき さんはい。上の歯は殆ど残っているのに総入れ歯とは…。しかし、6件の歯科医院で、総入れ歯をすすめられたら、そうするしかないのかなと、半ば諦めていました。そんな時、東京にいる一人娘に子供が生まれたので上京したんです。初孫の顔を見たら、入れ歯の痛みも一瞬忘れたのですが、食事のたびに顔をしかめる私を見て、『そんなに入れ歯が痛いなら、大西先生に相談してみたら』と、娘が大西歯科をすすめてくれたんです。正直、歯医者さんに行くのは、こりごりだったのですが、入れ歯が痛くて、まともに物が噛めなくなっていたので、行ってみることにしました。