■「患者さんと呼吸をあわせて治療にのぞみたい—」

患者さんの立場にたち、リラックスできる内装大西歯科の治療方針は、常にプロ意識を持ち、患者さんと呼吸をあわせて治療にのぞむということです。私は、歯科医としての実績を増やすことよりも、本当に治療が必要な患者さんに、じっくりと時間をとって向き合うことが大切だと考えます。たとえば、大西歯科では、インプラント治療を行っていますが、症例数はあまり多くありません。

それは、高額で長い時間のかかるインプラント治療を、歯科医の権限だけでむやみに行うのではなく、患者さん本人と話し合いをかさねて、本当に必要であるとわかった方だけにおすすめしているからです。私の意見だけではなく、CTスキャンの専門家とも相談しています。

おひとりの治療にかける時間も、最低30分。全顎の治療では半日。治療の密度をあげて、何度も通う負担を減らし、じっくりとクオリティの高い治療で結果を出したいと考えています。

 

◆ 「患者さんの立場にたち、リラックスできる内装を」

大西歯科の治療方針大西歯科は、2009年5月に改装しました。老朽化がはげしかったため、当初は、この場所から離れて、もっと広いところへ移転しようとも考えました。しかし、開業当初から通われている患者さんや、既存の患者さんの紹介でいらっしゃる方のことを考えると、はじめて開業したこの場所で、ずっとやっていきたいと考えました。

改装にあたっては、治療台や機械などにこだわりました。ドイツ・シーメンス社製の治療台は、患者さんの立場にたって、座りごこちがよく、リラックスできるものとして選びました。レントゲンは、被曝量の少ないデジタルレントゲンを採用し、診断の質をアップしました。
内装にもこだわりぬきました。当初、デザイナーが仕上げた案をすべて取りやめて、色味や照明はもちろんのこと、治療台の間仕切りなども自分の目で選びました。やはり、間仕切りひとつでも、無機質な板で作るより、圧迫感のない透けた布製カーテンのほうが患者さんに落ち着いていただけるものです。
その他にも、BGMやアロマ、色彩心理学なども取り入れて、リラックスしてお悩みをゆっくりお聞かせいただける空間を作っています。

 

◆ 顎関節症を体験―「噛み合せと全身の健康を研究したい」

顎の噛み合わせ治療やインプラント治療が中心大西歯科では、開業当初は、通常のむし歯や歯周病治療、審美歯科治療が多かったですが、現在は、顎の噛み合わせ治療や入れ歯の治療が多くなっています。こういった治療内容を志した理由には、私自身のつらい体験がありました。

みなさんは、顎関節症という病をご存知でしょうか。大学を卒業して、研修医となった頃のこと、顎の関節が痛みはじめ、次第に、口を開けるのも痛く、終始しめつけられるような頭痛に悩まされるようになりました。

原因は、ストレスでした。歯科医の研修は、内容もハードですが、たくさんの診療科目を勉強しなければならないため、次から次へと研修先が変わってしまいます。そのため、せっかく仲良くなった方とすぐに別れて、新しい人間関係を作らなければならないという苦労がありました。このストレスから、知らず知らずのうちに、歯を食いしばることが増え、顎の関節に負担がかかって顎関節症を発症したのです。

痛みが休まることがなく、本当に悩みました。私と同じような症状から、さらに進行し、なかには仕事に支障をきたすようになる方や、あまりの苦痛に精神的な病を併発する方も多いのです。あるアナウンサーの方は、満足に話すことができなくなり、仕事を辞めてしまいました。

幸いにも、私は初期治療で完治することができましたが、この体験によって、これからのストレス社会では、歯の噛み合せが原因で、身体・心の健康を崩してしまう人がますます増えるのではないかと考えるようになりました。
そこで、歯科医として私にできることは、噛み合せと全身の健康との関係を研究し、ひとりでも多くの方を治療することだと考えたのです。